パッシブデザインとは?太陽の光や風を活かした心地よい家づくり
2026.09.04
「高性能住宅」と聞くと、断熱材の厚さやUA値、気密性能などを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
もちろん、断熱・気密性能は快適な住まいをつくるうえでとても大切です。
でも、家の快適さを左右するのは、それだけではありません。
太陽の光や熱、風といった自然の力を上手に取り入れること。
ハウスプリードでは、建築家がその土地の周辺環境まで読み取りながら、「高性能+パッシブデザイン」の両面から住まいを考えています。
今回は、横浜市で実際に建てた住まいを例に、パッシブデザインを取り入れた家づくりについてご紹介します。

パッシブデザインとは、太陽の光や熱、風など、その土地にある自然のエネルギーを上手に利用して、できるだけ少ないエネルギーで快適に暮らせる住まいを考える設計手法です。

たとえば、冬は太陽の光や熱を室内に取り入れる。夏は強い日差しをできるだけ遮る。自然の風が通り抜けるように窓や間取りを考える。昼間は照明に頼りすぎず、自然光で明るく過ごせるようにする。
こうした工夫を、その土地の条件に合わせて考えていきます。
ただ南側に大きな窓をつくればいい、というものではありません。
土地の向きや周囲の建物、季節による太陽の動きなどによって、光や風の入り方は一棟一棟違います。
だからこそ、その土地を読み解いて設計することが大切になります。
今回ご紹介する住まいは、横浜市内の住宅街に建つ2階建ての住宅です。
周囲には既存の住宅や集合住宅があり、南側にも建物があります。

そこで設計段階では、敷地の向きだけを見るのではなく、周囲の建物の位置や高さまで確認し、冬至の日影をシミュレーション。
冬至の9時から15時まで、隣家によって敷地にどのような影ができるのかを確認し、1階のリビングにも光を取り入れられる建物配置を検討しました。さらに、その地域でよく吹く風の向きも確認し、光だけではなく風の通り方まで考えながら計画しています。


そして、こうした敷地環境を読み解いたうえで生まれた、この住まいの大きな特徴が、家の中心に設けた階段と吹抜です。
周囲を住宅に囲まれた敷地でも、2階から取り込んだ光が吹抜を通して1階へ届くように計画。
正方形に近い建物でも、家の中心まで自然光が届く住まいを目指しました。
設計資料にも、建物の中心に設けた階段と吹抜を連動させることで、家の中心まで光と風が届く構成であることが記されています。

完成した住まいを見ると、設計時に考えられていたことが実際の空間になっているのが分かります。
高い位置に設けた窓から取り込んだ光が、吹抜を通して1階へ。

吹抜には明るさだけではなく、風と空気の通り道をつくる役割もあります。
上下階をつなぐ吹抜とシーリングファンによって空気の循環を促し、視線も上下へ抜けるため、数字以上の広がりを感じられる空間になっています。
「明るくしたいから吹抜をつくる」のではなく、光を届ける、風を通す、空気を循環させる。
いくつもの役割を持たせながら設計しているところも、この住まいのポイントです。

階段横に設けた大きな窓も、この住まいのポイントのひとつ。
窓は、外を見るためだけのものではありません。
どこから光を取り込み、家のどこまで届けるのか。周囲からの視線にも配慮しながら、窓の位置や高さを考えていきます。
この住まいでは、家づくりの当初から「採光と日射のコントロール」「昼間は自然光で暮らせる」ことが、パッシブデザインの要素として計画されていました。


そして、パッシブデザインを取り入れれば、それだけで一年中快適になるわけではありません。
冬に太陽の熱を取り入れても、住宅の断熱・気密性能が低ければ、その熱は外へ逃げてしまいます。
夏の日射を上手にコントロールしても、外の暑さの影響を受けやすい家では、室温を快適に保つために多くのエネルギーが必要になります。
だからこそハウスプリードが大切にしているのが、「建築家による設計」と「住宅性能」の両立です。
今回の住まいでは、外皮平均熱貫流率を示すUA値0.40W/㎡・K、断熱等性能等級6、C値は0.07cm2/m2を実現しています。

自然の力を活かす設計と、それを無駄にしない住宅性能。
その両方を考えることで、冷暖房だけに頼りすぎない、心地よい住環境につながっていきます。
「明るい家にしたい」と考えたとき、南側に大きな窓をつくることを思い浮かべる方も多いと思います。
けれど実際の土地では、南側に家が建っていたり、道路や隣家からの視線が気になったりと、さまざまな条件があります。
今回の住まいも、周囲を住宅に囲まれた敷地でした。
それでも、周辺環境を読み、太陽や風の動きを考え、建物の配置や窓、吹抜を一緒に計画することで、光が差し込み、風が抜ける住空間をつくることができます。

大切なのは、「どんな窓をつけるか」だけではなく、「その土地で、どこから光や風を取り込むか」を考えること。
これは、決まった間取りを土地に当てはめるのではなく、一棟一棟、敷地に合わせて設計する建築家との家づくりだからこそできることでもあります。
UA値やC値など、住宅性能を数字で確認することはとても大切です。
一方で、実際に暮らしたときの心地よさは、数字だけで決まるものではありません。
朝、自然光が入る。
昼間は照明をつけなくても明るい。
家の中を風が抜ける。
冬は太陽のぬくもりを感じる。
そんな毎日の小さな心地よさも、住まいの大切な「性能」のひとつだと私たちは考えています。
ハウスプリードでは、断熱・気密などの住宅性能だけではなく、建築家が土地の周辺環境まで読み解き、光や風といった自然の力を活かしながら、そのご家族、その土地に合った住まいをご提案しています。
高性能であることはもちろん、その先にある「心地よく暮らせる家」へ。
土地探しから新築をご検討の方も、「この土地で明るい家は建てられる?」「周囲を家に囲まれているけれど大丈夫?」など、ぜひお気軽にご相談ください。



